先ずは、透析を始めるための準備。
透析機器の準備(プライミング)や、機械室・透析室において透析機器の異常の有無確認など、滞りなく透析を始めるために必要な準備を看護師や看護助手の方々と連携しながら行います。
準備を整えたら出勤しているスタッフ全員で朝礼。その日の患者さまの情報を共有します。
患者さまの到着後はスタッフが手分けして透析室への誘導なども行います。
善仁会グループの臨床工学技士は、医療機器の管理だけでなく患者さまとの心のかよったコミュニケーションも求められています。
透析室への入室後、患者さまの体重を測り、その日の除水計画を立てます。
最近は透析の支援システムが導入されている施設も多く、体重を測ると自動的に除水量が計算されて各機器に入力されます。
除水計画の策定後、バイタルサインの測定、その日の患者さまの状態の観察を済ませたらいよいよ透析のスタートです。
患者さまのブラッドアクセスの状態を観察して2本の透析用の針で穿刺。
穿刺箇所に異常が無ければ透析用の回路を針につないで透析機器をスタートさせます。
透析の治療時間は人それぞれに違いますが、平均4時間の治療が行われます。
ベッドに横になっているだけの治療に見えますが、4時間じっとしていることは簡単なことではありません。
この時間をより快適にお過ごしいただくため、改善策を練ることも臨床工学技士の仕事です。
透析機器のチェックはもちろん、患者さまへの声かけ、スタッフ同士の連携を図り、事故の無いように医療安全にも積極的に関与。
臨床工学技士には透析室の司令塔という役割もあります。
透析中は患者さまの状態はもちろんのこと、透析機器の状態も常に把握するため、施設内を細かくチェック。イレギュラー発生時にも滞りなく治療を提供するため、いち早く異常に気付き適切な処置をすることは非常に重要です。
また透析中の時間を利用し、看護師と協力して患者さまのフットチェックやフットケア、各種データや水分管理についての教育も行われます。
患者さまとコミュニケーションを取る大切な時間でもあります。
治療中にはカンファレンスも行い、医師などと情報共有をおこないます。
透析の時間が終わりに近づいてくると体調の悪くなる患者さまもいらっしゃいます。
透析治療中は状態に合わせて定期的に患者さまのバイタルサインのチェックなどを行い、異常の早期発見・早期対応にも努めています。
それぞれの透析の時間が終了したら、透析のために体外に出ていた血液の回収を開始します。
そして回収が済んだ患者さまから針が抜かれ止血。
止血状態の確認後、患者さまは帰宅となります。
このとき体調の悪い方がいらっしゃれば介助や看護を行います。
回収後の片付けやベッドメイキング・環境整備が終了したら、透析機器を朝と同じ状態に戻します。
常に同じ状態に保つことで異常の早期発見に努めています。
施設によっては看護記録や透析支援システムのデータ整理をしているところもあります。
その日一日の申し送りにて施設内全スタッフと情報共有をして、お仕事は終了です。
2クール目の透析があるところは次のクールの準備が始まります。
患者さまに「より良い透析」を提供するため、生命予後に関わるKt/Vなどの向上に向けて、積極的に治療条件の提案をさせていただいています。また、透析室にいる全ての方の身体的・精神的ケア、医療安全に積極的に関わることで、診療部同様、透析室の司令塔としての役割を担っています。
透析室にいる全ての方との関わりについて常に情報共有し、課題の解決・改善方法についてご提案させていただくことで、患者さま・お客さまの心の満足の実現に取り組んでいます。部門を隔てず、日々の患者さまの受け持ちなどの業務に積極的に関わることで、チームとしての医療を確立し、患者さま、お客さまへ安心と安全を提供いたします。また患者さま満足の向上のため、医療機器や看護、医療安全に関する勉強会を開催し、医療技術や知識の習得に努めています。
施設で発生する課題や患者さま・お客さまからのご提案に対して積極的に関わることで、迅速な対応を実現し、より快適で活気ある施設づくり、環境づくりに協力しています。いただいたご提案は真摯に受け止め、施設全体のみならずグループにおける業務改善や思いやり行動の推進につなげるため、事務スタッフとも緊密に連携し、積極的に発信しています。