教育研修プログラム

臨床工学部内教育

臨床工学部の教育ステップについて

善仁会グループの臨床工学部では、1人でも多くの患者さま・お客さまにご満足いただける医療を提供するため、様々な教育プランを用意しています。なかでも新しく入社されたスタッフに対しては手厚い育成メニューを用意しており、配属先施設にて段階的な指導を行うことで、基礎的な透析手技から透析機器の使用・保守管理方法、トラブルの対処方法など、具体的・実践的なノウハウを習得していただいています。

第1クール(新人研修後~6月中旬まで)

上述のとおり、善仁会グループでは「患者さま・お客さまにご満足いただける医療の提供」をとても大切にしています。そこで第1クールでは、私たちの理念について確認し、臨床工学部という所属組織のこと、毎日の治療に用いる透析機器の管理・準備方法、患者さまの急変時の対応方法、穿刺操作・バスキュラーアクセスについて、採血の方法、定期消耗品の管理、環境整備等、基礎的な知識と実践に役立つ技術を学びます。

理念の確認

臨床工学部はもちろん、グループ全体の基となる「思いやりの心」について確認し、患者さまの目線に立てる医療従事者として育成します。

臨床工学部組織図・報告ルートの確認

臨床工学部の役割や報告ルートの確認、社内の様々な制度についての理解を深め、組織全体で患者さま・お客さまを支える取り組みについて学んでいただきます。

機械室・透析室の環境整備

臨床工学部の本分である医療機器の管理はもちろんのこと、全ての機器の状態を適切に管理することで、故障・不具合の早期発見につなげます。
また患者さま・お客さまにより一層ご満足いただくため、清掃の行き届いた環境づくりについて学んでいきます。

透析機器の始業時・終業時操作

治療に必要となる各透析機器の立ち上げ方法(1日の治療を滞りなく進めるため、透析液の作製方法や機器の日常点検方法)、使用可能かどうかの判断基準、機器の性能維持のための洗浄方法について習得します。

採血の方法

患者さまの血液検査のための採血に関わる基礎知識を習得します。採血方法やデータの読み方はもちろん、扱う機器・材料についても習熟していただきます。採血後の検体の処理方法、院内におけるヘマトクリットの測定方法についても学びます。

穿刺操作・バスキュラーアクセスについて

透析治療に必要不可欠なバスキュラーアクセスについての知識を習得します。また清潔操作・消毒の方法、穿刺失敗時の対応、穿刺に関するトラブルシューティング等、実践で役立つ技術を習得するため、マンツーマンで指導いたします。

患者さま急変時の対応(基本)

急激な血圧低下時の対応方法など、患者さまの急変時に求められる周辺機器の使用方法や知識を深め、体調不良を訴える患者さまの身体的・精神的苦痛を緩和するための適切な対応方法を学びます。また治療中に患者さまがお手洗いに行きたくなったらどうしたら良いか等、日常的に発生する様々な事例についても学んでいただきます。その他、薬液・薬剤や体位変更、他部署との連携方法なども学びます。

定期消耗品の管理

治療に必要な物品の管理や医療材料の管理を学びます。使用する医療材料の知識やコスト意識について知識を深めていただきます。

第2クール(7月中旬まで)

基本的な研修終了後、第2クールでは応用編として様々なイレギュラー発生時の対処方法を学びます。具体的には治療中に使用する医療材料のイレギュラー時の対応(トラブルシューティング)、大規模災害発生時の心得・対応などを学んでいただきます。

治療中に使用する医療材料のイレギュラー時の対応(トラブルシューティング)

治療に必要な医療材料、ダイアライザーや血液回路に空気が混入してしまったらどうすればよいか。体外循環中の血液が凝固してしまったら?使用中のダイアライザーが破損してしまい、患者さまの血液が体外循環より外に漏出してしまったら?など、治療中に発生し得るトラブルについて知識を深め、対応方法を学び、技術習得していただきます。

大規模災害発生時の臨床工学技士の役割について

善仁会グループの臨床工学技士には、透析室内の状況を把握し、スタッフが適切に行動できるよう助言する司令塔としての役割があります。そのため大規模災害発生時の機械操作方法の習熟も必要となっており、あわせて他部署との連携方法、避難経路の把握、円滑な復旧のための災害発生時の組織体制や報告ルートについて学習します。

第3クール(8月中旬まで)

患者さま満足の向上を目指し、患者さまの生命予後に深く関わる透析効率についての知識を深めていただきます。また透析医療において欠かすことのできない機器の電源ラインや水ライン等の施設設備についても学んでいただきます。

透析効率

患者さまの生命予後に関わる透析効率についての理解を深め、患者さまへの満足向上に貢献します。透析効率とは何か?どのような因子が左右するのか?透析効率が悪い場合にはどうしたら良いか?適切な判断が出来るようになるまで繰り返し検討する場を設け、習得していただきます。

施設設備の管理

透析治療において重要となる透析液・水の管理、医療機器の電源ラインの把握を現場において習得し、常に最良の治療を患者さまへ提供するための知識を身に着けていただきます。また停電・災害発生時おける復旧の方法を学び、スムーズに治療を提供するための技術や知識を深めていただきます。

※その他、第1クールで学んだ患者さま急変時の対応、透析機器の始業時・終業時操作についての習熟状況を確認し、繰り返し学んでいただきます。

第4クール(9月中旬まで)

患者さまの急変時に必要なモニタリング機器の使用方法や、薬液注入に必要な機器の使用・点検・管理方法を学んでいただきます。

周辺機器(輸液・シリンジポンプ)の使用方法

治療に関わる周辺機器(輸液・シリンジポンプ)の構造・原理・使用方法について習得していただきます。

周辺機器(心電計・心電図モニタ)の使用方法

治療に関わる周辺機器(心電計・心電図モニタ)の構造・原理・使用方法について習得していただきます。

周辺機器の点検方法

治療に関わる全ての機器を最良の状態に保持することを目的に、必要となる点検方法を習得していただきます。

※第1クールで学んだ臨床工学部の組織体制や役割についての再確認も行います。

第5クール(10月中旬まで)

透析治療に必要不可欠な各透析機器の保守管理について学びます。内部の構造をしっかりと理解することで、常に患者さまへ最良の治療を提供できる体制づくりを。

透析用監視装置の保守管理

透析治療で重要となる透析機器の管理を現場において習得し、最良の治療、患者さまへの満足向上に貢献します。修理の方法、修理に必要な工具についても学びます。

各透析機器の内部配管

透析用監視装置、多人数用透析液供給装置、粉末製剤自動溶解装置、逆浸透法精製水製造装置等の機器内部配管の構造・原理・主な故障箇所・定期点検について学びます。

第6クール(11月中旬まで)

※第2クールで学んだ大規模発生時の臨床工学技士の役割について再確認します。また医療機器の保守管理方法について継続して学習します。

随時(課外活動へ向けて)

善仁会グループ研究報告会やセミナーなどでの演題発表に向けて

年1回開催している善仁会グループ研究報告会や、透析医学会などでの発表に向け、グループ内勉強会や各種セミナーへ参加していただき、個々のレベルアップを図ります。

先輩CEからのアドバイス

研修中、わからない・困る・迷うことがあったときは、教育担当者がいつでも相談にのります。
教育担当者は1人ひとりの育成に責任を持って指導をしていきますし、施設には担当者以外にも答えを持っている先輩方がたくさんいますから相談しやすい環境だと思います。
わからないことがあればうやむやにせず、どんどん質問していきましょう。
それが1人前になる近道だと思います。

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4年目までの道

新入社員研修:新入社員は教育研修センターならびに配属先施設にて新入社員研修を受けます。

~1年

臨床工学部では新入社員研修後、配属先施設にて透析手技に関わる
基礎的な教育スケジュールを設けています。
→ 臨床工学部教育 キャリアパス

3年~
透析技術認定士、エキスパートCEへの挑戦

実務経験3年以上が受講できる透析技術認定士までの道のりを応援します。
さらに善仁会グループ社内認定資格、エキスパートCEへの道が開けます。

随時
グループ内勉強会、各種セミナーおよび医学会への参加

基本業務の他に、月1回のグループ内勉強会、
各種セミナーおよび医学会にて情報の共有、
知識面でのレベルアップを図ります。